事業者にとって最初に必要なサイトとは
2026.2.5
Web制作の現場では、制作者目線で売上の話が先行しがちです。事業者にとって本当に最初に必要なサイトとは何かを考えます。
Web制作の現場では、どうしても制作者側の視点から「どうすれば売上が伸びるか」という話が先行しがちです。それ自体は間違いではありませんが、最近は少し違った視点も意識するようになりました。それは、身の回りの事業者に対して、本当に勧められる提案だろうか、という基準です。
たとえば、知り合いのお店や地域で長く続いてほしい教室やスタジオに対して、「最初からきちんとしたWebサイトを作った方がいいですよ」と迷いなく言えるだろうか。正直に考えると、「今はそこまで必要ないのでは」と思う場面も少なくありません。
多くの場合、最初に必要なのは、立派に作り込まれたWebサイトというよりも、何をしている事業なのか、どこにあって、いつ利用できるのかといった基本的な情報が迷わず確認できることです。Googleビジネスプロフィールでも十分な場合がありますし、情報を絞った1ページのサイトでも足りることは少なくありません。完成形を目指すよりも、「今の段階で困らないこと」を優先する考え方もあるのではないでしょうか。
Web業界では、どうしても売上や成果を意識するあまり、ページ数や構成、将来を見据えた設計、SEO対策といった話が早い段階で並びがちです。どれも大切な要素ではありますが、最初からすべてを揃えようとすると、逆に事業者がWebサイトを使い始めるのさえ難しくなることがあります。
まずは始めてみる。実際に使ってみて、少し様子を見る。その中で、「もう少し説明が必要だな」「この情報は後から足した方がよさそうだな」と感じたら、そのときに考えればいいのです。後から足せる余地を残しておくことも、ひとつの設計の考え方だと思っています。
この考え方は、効率がいいとか、すぐに売上が伸びるといった話ではないのかもしれません。ただ、自分の身の回りの事業者に勧めるとしたらどうか、と考えたときに、いちばん無理がなく、納得できる形です。Webサイトは、最初から完成を目指すものではなく、必要に応じて少しずつ育てていくもの。そのくらいの距離感で、ちょうどいいのではないでしょうか。