安心とゆとりを生むシンプルなWebサイト
普段さまざまなWebサイトを閲覧するとき、あまり意識することはありませんが、実はWebサイトの仕組みには、大きく分けて、サーバー側でプログラムを動かしてページを生成する『動的サイト』と、あらかじめ用意したファイルをそのまま表示する『静的サイト』があります。
動的サイトとは、キーワードで情報を絞り込む検索機能や、商品の購入手続きを行うECサイトのように、訪れる人や操作に合わせて画面が柔軟に変化する仕組みです。Webの可能性を大きく広げてくれる、とても便利な存在です。
一方で、静的サイトとは、あらかじめ用意した文章や画像などのファイルをサーバーに置くだけのシンプルな仕組みです。サーバー側で複雑なプログラムやデータベースを動かす必要がないため、管理する仕組みが少なく、トラブルやセキュリティ上のリスクを抑えやすいという特徴があります。
私自身、20年以上Web制作に携わる中で、自分のつくるサイトは長年この「静的サイト」をベースに運用してきました。お問い合わせフォームなどの動的な機能には便利な外部連携サービスを取り入れつつも、サイト全体の構造は一貫してシンプルに保ち続けています。
なぜ、あえて静的サイトを選び続けているのか。
それは、システムの不具合や頻繁なアップデート、セキュリティ対策といった管理上の不安に振り回されることなく、いつでも「当たり前にそこにある安心感」を何より大切にしたいからです。何年前に書いた文章も、選んだ写真も、今日もブラウザの上で変わらずに表示されています。
複雑な仕組みの管理に心を奪われないぶん、日々の意識は「何を伝えるか」に向かいます。今月はどんな写真を1枚差し替えようか、今の自分たちの仕事にしっくりくる言葉はどれだろう——そんな風に、愛用している道具を手入れするように、自分の歩幅でていねいに育てていくゆとりが生まれます。
便利なテクノロジーを無理なく借りながらも、セキュリティや保守の負担を抑えた「シンプルで丈夫なホームページ」であること。
しっかりと地に足をつけ、日常や仕事に無理なく寄り添い続けるサイトのあり方を、これからも長く育んでいきたいと思っています。